7月19日(火)プレイベントとして、富田林市きらめき創造館で『ガチで進路相談イベント』が開催されました。
この企画では「こんな人の話を聞いてみたい」「こんな仕事に興味があるけど、どうすればいい?」など若者の抱えるリアルな悩みの解決を目指し、その道のプロが答えてくれます。
企画の始まりは富田林市で令和2年12月に制定された「富田林市若者条例」に基づき、令和3年4月に「富田林市若者会議」で提案された「ワカモノ☆ミライ・カフェ」。
川口――去年の9月にこの施策を提案させて頂いて、本日ようやく形にすることが出来ました。緊張とワクワクで少し胸の鼓動が早くなってはいるんですが、今回の第一回イベントに留まらず、今後とも富田林の若者の皆さんに夢や希望を与えられるような活動に尽力していきたいと思っています。
当日、冒頭の挨拶でミライカフェを提案した部会の部会長を務めた川口涼太さんから、企画実現の喜びと決意を伴った言葉を聞く事ができました。
それだけで様々な人達の努力がこの企画に詰まっているのだ、と感じられて私まで嬉しくなったことを覚えています。
プレイベント第一回目となる今回のテーマは「会社経営って何するの?」と題し、アドバイザーには経営コンサルタント・公認会計士、アンドシング株式会社代表取締役 土肥卓哉さんをお呼びし、若者を代表して「会社経営を学びたいと考えていた」と話す高校生の金森光陽さんが相談を持ち掛けます。
司会を務めるのはNPO法人ゲキトモエンターテイメントである松田浩司さん。
以下、イベントの中で幾つか筆者が興味深く感じた質問と回答をご紹介します。
Q.会社に勤めて働く事、会社を作る事の良い面を教えて欲しいです。
A.まず前者は、もう既に色んな人がその会社にいるということ。
一人で始めようとしたら自分で色んな人に会って「来て」と言わないと来てくれない。
でも会社には色んな人がいて、営業、商品開発、色んなことが学べる。
自分でやるのはその裏返しで、組織で働くと人に気を使って合わせる必要が出て来る。
会社を作るとなるとまず仲間集めが大変ですね。
Q.どういう経験が経営者として活きてくるでしょうか?
A.色んな段階があるんですが、自分で何かをする際には独りで耐えられること。
周りが様々な意見を言うと思いますが、それでも「自分で自分を前に進ませる力」が大切ですね。
Q.好きなことを始めたのか、できることから始めたのか土肥さんはどちらですか?
A.まずは憧れから。僕の時代は『大前研一』という人物が輝いる姿を見て「公認会計士になりたい」とぼんやり思いました。
進んでみないと分からないこともあるし、「できるできない」よりかは「こんなことがしてみたい」という感覚や、出会った人、思い付いたことを中心にやっていく。今の自分に向いていることを考えても、明日やその先は変わっているのだから。
Q.どのような人が経営者として成功しているのでしょうか?
A.成功の定義は色々あると思います。
経営者としての成功とは、世の中を変えるサービスを生み出した、上場して時価総額の高い企業を作ったなど色々ありますが、当人が人生で何を求めるのかによります。「会社経営は手段、自分のやりたいことが先にある」これは芸人で会社経営もされているヒロシさんの言葉ですが、僕はこれに凄く共感するんです。また成功は多くの人にとって「やりたいことがやれているか」、だからこそ「自分を前に進める力」が大事です。周りの人は答えを教えてくれないので。
筆者自身も将来や進路について多くを悩んでいたからこそ。
金森さんの悩みや不安に強く共感でき、土肥さんの答えや考え方が染み入るようでした。
また会場に足を運んだ正に進路に悩む若者たちも、真剣な眼差しで三名のやり取りを見つめていました。
「やりたいことが見つかっているのが正解で、見つからないのが間違い」ではないです。
周りを見渡せば中学生でやりたいことがある人、50歳になって見付ける人もいる。前に進むための原動力は誰にでもあるけど、進む時に色んな比較材料が出てきて、悩む、立ち止まる、色々あります。
人の意見を聞く必要がある時もありますが、「自分でそう考えた」ということを大切に。
また進路というと比較での良し悪しを決めてしまいがちだけど、そうではなくて。
色んな人に出会って、悩んで、一方で自分の中にある「これをしたい、やりたい」という想いを大切にして、人との出会いの中で少しずつ形にしていく。だから「やりたいことは見付かっていく」という気持ちで、明日を、ミライをより良くするために大いに悩んで、進んで行くのがいいと思います。
最後に土肥さんなりの考え、答えを出して下さいました。
経営者の方に直接相談、質問をする機会とあって緊張と共に始まった「ガチで進路相談イベント」でしたが、松田さんの話題を絶やさない司会、金森さんの素直さや土肥さんの人柄もあり、会場に足を運んだ若者を交えた質問会は終始和やかな雰囲気に包まれていました。
土肥さんが発する核心的な発言や解答に対し、若者たちは考え、学び取りながら次の質問を投げていく。
そんな好循環の中で、進路について深く考えられるとても有意義なイベントでした。
文:河野隆太
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